生まれてこのかた一度も死んでないよ。
ザ・電撃パンクゾンビーズ 呉屋だよ。
2歳児との生活。それは「戦い」。
そう。戦いなのです。
毎日が。
みそ汁攻撃でぐちゃぐちゃにし(自分の体を)
トマト汁でべちゃべちゃにするのです(自分の体を)。
なぜなのか。
そして日々繰り広げられる2歳児戦の殉職者。
綿棒。めんぼう。
キレイな顔してるだろ?ウソみたいだろ?
もう使えないんだぜ?それで。
まじで。
国よ。こっちは日々国の宝の子どもを育ててるんだよ。
(別に国のためじゃないけど)
「2歳児戦」を繰り広げてんだ。
なんかこう手当とかない!?
2歳児特別手当。
「子育てには金がかかる」とは聞いてたけど
こんなかかり方!?
違くない!?
もっとこう「学費」とか「食費」とかじゃないん!?
これ何費!?ねぇこれ何費!?
なんて計上したらいいん!?
「ひっくり返した費」とかあるん!?
2歳児特別損害金とか認めてよ!
こないだなんかトイレにおもちゃ流して詰まらせて
万単位でお金飛んだぞ。
「2歳児ならでは」でしょ。
みんな困ってるはずだから支給してよー。
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てか話変わるけど
「役目を果たさずに捨てられるやつ」のストーリーを想像してしまうことない?
この綿棒たちもさ。
工場で出荷待ちの時とか
「なぁ、俺たちどんな家に買われるのかな?」とか
「どんな使い方されるのかな」とか
話し合ったりしててさ。
不安と期待が入り混じった感じでさ。
「まぁ、耳だとは思うけど…一応、鼻だった場合のシミュレーションもしておくか」みたいな。
役目を果たすべく、「その時」を心待ちにしててさ。
そして出荷されてそれぞれの家に行き。
洗面台の棚に置かれて
仲間たちが次々と耳掃除に使われるのを見て
「よっし!次は俺の順番だ!役目を果たすんだ!耳垢逃がさないぜ!!」
みたいな決意をしててさ。
それがある日突然
洗面台にブチまけられる。
ワケもわからず。
仲間たちが水に濡れていく様を見て呆然とする綿棒。
どちらが先に使われるかケンカ腰で話し合ったアイツ。
決して美人ではないが綿のまとまりが美しく
見とれていたことを言い出せなかったあの娘。
いつも3人で他愛ない話をしては笑い合っていたおばさんたち。
みんな次々に濡れていく。
役目も果たさずに「終わって」いく。
ワケがわからない。
意識とは別に
「ドラマではこう言う」といった感じの
どこか他人事の感覚にスイッチが入れ替わる。
そして喉が自動的に動く。
「おい!大丈夫か!」
やっと出た声ももう彼らや彼女たちには届いていない。
「ナニガオコッタンダ」
世界が色を失ってモノクロに感じられる。
そしてモノクロになった世界の白と黒さえ反転して見える。
悪夢。
悪い夢。
悪い夢であったらいくら「マシ」だっただろうか。
「ナニガオコッタノカ」
理由なんてない。
理由なんてないのだ。
ただ
そこに2歳児がいたのだ。
彼らは、2歳児の
「さわってみたい」
「ひっくりかえしたい」
という欲望のまっすぐ伸びた直線上にいて
その欲望が走る道から外れる術を持っていなかっただけなのだ。
それだけなのだ。
彼らが役目を果たせなかったことに
「特に理由なんか無い」のだ。
「使ってあげたかった。」
その声はもう彼らには届か無い。
アディオス。
「この世界で巡り逢えた
たった一人のお前だけに
100万回のワンラブ」的な歌を歌う人の
「絶対こいつ浮気する」感は異常
ちなみにAmazonで一番高い綿棒(53987円)
がこちら。
まさかの工業用。耳の穴めくれるわ。
ロックンロールが鳴ってるよ。
爆音で鳴ってる。