さて。

 

宇那志豆腐店で働くようになってから

もうすぐ1年が経ちます。

 

 

SNSもチラシもブログも活用せず

それでもなお

 

日々お客さんが買ってくださり

飲食店さんが新たな取引を望んでくれ

売上を上げ、従業員が増える豆腐店で

働き出してもうすぐ1年が経ちます。

 

 

そこで見えたモノや

今感じてることを

書いてみようと思います。

 

 

スクリーンショット 2017-06-23 1.17.33

 

 

まずは「なぜ豆腐店で働き出したか」なんですけども。

 

 

マーケティングの本やブログを見てると

「モノには大差なくなってきたから
これからは【選ばれる理由】が大切」とか

書いてあるんですよ。

 

 

「売ってる商品の質には大差ない」って前提な感じ。

「お客さんは他の商品を買ってもいいけど
あなたのところから買う理由は何?」みたいな。

 

USPを出そう的な。

 

 

 

「いい商品なだけでは売れない」ってのは
「マーケティング本」や「マーケティングセミナー」の
大前提としてあると思います。

 

でもその前提って
「この本やセミナーが無用じゃないってことの証明」のために
用意された概念だと思うんです。

 

だってマーケティング本の設定として
「マーケティングが必要な状況」を作る必要がある。

 

 

 

マンガで言うと

「ピンチ」がなければ
「活躍の場」が描けないでしょ?

 

「悪い奴」がいるから
「必殺技」が活きるわけで。

 

マーケティングの「売れるようにする」って方法には
「売れなくなる状況」が必要なんですよね。

 

 

だから「設定」が必要なんです。

最初に。

 

「マンガの描き方」と同じです。

 

 

 

てなわけで

マーケティング本に書いてある
「いい商品なだけでは売れない」
「商品の質はお客さんから見たら大差なくなったから
それ以外の選ばれる理由が必要」

ってのは

「その本に書いてあることが必要だと感じやすいようにする
設定」なんですよ。

 

 

だって

「いい商品」は売れてる。

 

北中城村の「城まんじゅう」は売れてる。

宇那志豆腐は売れてる。

 

 

「個性を出さないと選ばれなくなる」と言うけれど

Amazonの人の顔なんて知らないし

コンビニだってそう。

近所のスーパーでは話しかけられず
ちゃっちゃと買い物済ませたい。

(まぁここは人によると思うけど。)

 

 

顔の見えないAmazonの急成長っぷりを見ると
顔が見えなくても売れるってこと。

 

「便利なシステム」が「選ばれる理由」になる。

 

 

商品ならその商品の「商品力」。

サービスなら「いかに便利か」って感じ。

それが「選ばれる理由」になる。

 

 

 

だから

「商品力」がしっかりしてる宇那志豆腐店に
超興味があったんですよ。

「実際のところどんな感じなのか」って。

 

マーケティングの「発信」のところをせずに
売れてる感じってどんな感じで売れてるのかって。

 

 

 

そして

「ブログもSNSもやってないのに
これだけ売れてたら、ブログもSNSもやったら超売れるんじゃない?」

と思いました。

自分が入ればその分野で役に立てるんじゃないかって。

 

実際に現場に立った上での発信なら
いいんじゃないかって。

「その事例を誰かの役に立たせることもできる」と思って。

 

 

 

でも今

結果として

ブログなどで積極的には発信してません。

 

 

理由は二つあって

「こちらから仕掛けなくても来る」ってのと

「製造ラインが結構いっぱい」ってこと。

 

 

「本当にいい商品」は

知ってもらうのは最初だけでいい。

 

 

 

 

 

なんつーんすかね。

 

「ブログ発信」での「売り方」って2通りあって。

 

一つは「働いてる人」のことの発信。

 

もう一つは

「商品が解決できる問題」や「商品を必要としてる人のための情報」

「商品についての情報」の発信。

 

 

「働いてる人」のことの発信だと

「この人だから買う」に繋がりやすい。

 

 

んー、ネズミの国のキャラみたいな。

あのランドに売ってるお土産、そのものが欲しいわけじゃないでしょ?

「ネズミーのやつだから買う」わけで。

 

商品自体はなんでもいいんですよ。

 

 

 

ロックバンドのバンドTシャツみたいな感じ。

私もクロマニヨンズのTシャツ買います。

それはデザインとか居心地とかじゃなくて

「そのバンドのものだから買う」ってこと。

 

アニメや楽曲やインタビューを通じて

「人の魅力」を感じてもらう。

 

 

この人が売ってるものだから買う」になる。

 

 

アニメや楽曲やインタビュー記事の機能を
ブログが代わりに請け負う感じ。

 

 

私も毎日ブログ発信して

セミナーやった時は

「呉屋さんに会いに来ました」と

ずいぶん言われました。

 

 

 

この「人(のキャラクター・個性)で売る」ことの弊害といいますか。

 

「必要じゃなくても
この人が売ってるから買う」

ってことが起こります。

 

 

「商品」を
「売ってる人と繋がるためのツール」として買うんです。

 

「商品が必要」なわけじゃない。

「商品を買って、売ってる人とつながりたい」って感じ。

 

商品自体は割となんでもいい。

重要なのは「誰が売ってるか」ってこと。

 

 

 

私も「ブログの書きかた」や
「実際に売上が上がった事例」なんかも紹介していましたが

私の発信方法が「人で売る」に近かったため

「呉屋さんに会うためにセミナーを受ける(商品を買う)」ってのが多かった。

 

そうなると「商品を買った時点」がゴールになってしまって

商品自体は利用価値を最大限に活かされないというか。

 

売上が上がる事例を実践する人は超少なかったです。

行動しないことが多い。

 

 

 

「商品が欲しい」んじゃなくて

「この人が売ってるものを買えることが出来ればいい」から

行動しない。

 

 

「人で売る」と、「買った時点」がゴールになりやすい。

 

これは、私が、ブログで「人で売る(この人だから買う)」を実践してみて
持った感想です。

 

だからセミナーを自主開催でやる気が起きなくなってしまいました。

問題解決したい人ではなく
会いたい人が来ることが多かったから。

 

私は問題解決がしたかったのです。

 

 

「商品の価値を伝えるブログ」だと

「その商品の価値が最大限に活かされる」といいますか。

 

例えば

商工会の制度とか

商工会と民主商工会と商工会議所の違いを書いたブログなんかが

読まれてます。

 

そういうブログ経由で繋がった人は

「商工会に行く」んです。

「行動してくれる」んですよね。

 

 

「私に会う(わたしとつながる)」が
目的じゃないんです。

 

 

「商品の魅力」を語るブログだと

「商品の価値が必要な人」に届きやすくなる。

だから

行動しやすい。

 

 

 

ここで宇那志豆腐店ですよ。

「商品力」でぶっちぎる宇那志豆腐店。

「情報発信」で役に立てるんじゃないかと思った宇那志豆腐店。

 

 

「宇那志の豆腐は美味しい」っていうのは

口コミでお客さんが伝えてくれるし

 

 

「情報発信」って意味では

もうすでに知れ渡ってるんですよ。

糸満(配達できる範囲)では。

日配商品ですから、それでいいわけです。

 

 

パック商品とか開発して
配達範囲が広がれば

またその広がった範囲で口コミが起こると思います。

 

うまいから。

 

わざわざ情報発信しなくても

商品力が高いと

お客さんが勝手に情報を発信してくれるんです。

 

客観的証拠として

取材結構きますし

新規取引も定期的に来ます。

 

こちらからの告知や集客活動なしに。

 

 

私は今

集客とか、販売につなげる意味でのブログとかの情報発信について

「ブログとかでの発信って本当のゼロから1にするときだけ必要なもの」だと思ってます。

 

そうすればあとはお客さんの情報網に乗るから。

いい商品なら、今、口コミで売れてくから。

 

もし商品がいくつか売れてそのあと売れなくなったら
それは「告知不足」ではなく

「商品に魅力がない」か
「売ってる人とつながることに満足した」(悪い言い方をすればその人に飽きた)

ってこと。

 

 

だから

商品の切り口やコンセプトを変えない限り
そのままやってて後々売れるようになるってことはあり得ない時代かなと。

 

 

 

 

 

今、私が実践して経験したり
現場で実際に経験した売り方は2つ。

「人で売る」

「モノを売る」か。

 

どっちがいいとか悪いとかではありません。

 

「人で売る」はアイドルとかロックバンドとか。

商品は「その人と繋がるためのツール」。

 

 

「モノを売る」は、「商品のスペック」で売る。

「商品の価値」そのものを必要な人が買っていく。

宇那志の豆腐を買う人は

「宇那志が売ってるから買う」ではなく

「美味しいから買う」ってこと。

 

 

 

 

 

 

「人で売る」と

売れ方にムラが出る。

 

短期的に人がわっと集まる時期がある。

そのときには「商品が必要なわけじゃない人も買う」ってことが起こる。

 

宇那志豆腐店で「人で売る」をやりたくない最大の理由がこれ。

 

「美味しいから必要」って人に行き渡らなくなる。

ただでさえ売り切れで買えない人いるのに。

 

 

「商品のスペック」を上げるために

宇那志豆腐店では毎日微調整してます。

その日の気温やにがりの効き具合などで。

 

 

毎日毎日その日のベストを探すんです。

 

 

商品のスペックを上げるのって地道なことを坦々とやるってこと以外

今んとこないっぽいです。

少なくとも私が経験した範囲内では。

 

 

そうやって坦々と丁寧に積み上げた商品力の高いモノを
「この人だから」って理由で買われるの悔しい。私はね。

 

 

 

 

ちゃんと「美味しいと思って買う」って人に買って欲しい。

それには情報発信は今んとこ必要ないなと思いました。

美味しいと思う人が買ってくれて
口コミまで起こしてくれてるから。

 

新しく展開する地域とかあれば必要だけど。

 

 

 

 

つらつらと書きましたが。

 

 

まとめると

・売り方は二つ。「人で売る」か「モノを売る」か。

・「人で売る」場合、「売ってる人とつながるために買う」。

・「モノを売る」場合、「商品自体の価値で買ってもらう」。

・人で売った場合は商品が変わっても売れる。「その商品が欲しい」わけじゃないから。

 

 

こんな感じかな。経験上。

 

あ、「人で売る」と
「モノで売る」をミックスすることは可能だと思います。

もしかしたら最強かもしれない。

 

私はまだ残念ながら経験ないのすが。

近々沖縄の糸満あたりの農家がやってくれそうな気がします。

「人がきっかけになり商品力で長く買ってもらう」っていう。

 

そうなったらそこの現場で実際に現場に立って

「実際のところ何が起きているのか」を感じようかな。

 

 

でも

そのためには

「人とモノで売る」を実践するには

「商品に大差なくなってきてる」って前提は
絶対に捨てた方がいい。

「いくらでも差別化できる。どんどん良くできる」

って前提でただただ改良をすることが大切かと。

 

宇那志豆腐店みたいにね。

 

 

 

 

で、今までの「集客に関するマーケティング」はパワー落ちてきてると思います。
チラシ・DM・ブログ・SNS・ホームページとかはね。

 

お客さん同士の情報交換が昔より激しいから。

いいモノの情報も悪いモノの情報も共有される時代。

こっちからのアプローチの情報より

利用した人の情報の方が信用あるから。

 

 

では「マーケティングは不要か?」といったら
そうではない。

 

「集客に関するマーケティング」のパワーは落ちたけど

「商品設計」にマーケティングを活かすことができる。

むしろそこは重要度増してる。

 

 

「この商品は何のための誰のためのどういう商品なのか」ってことを

はっきりさせるために必要になってきてる。

 

 

「商品の特性を知って

最も価値を提供できる市場を探す」

ってところで超必要。超重要に。

宇那志の特性は「柔らかさ・なめらかさ・クリーミーさ」

そこは「負けない場所」。

 

 

就活でもマーケティング的な考え方重要になってきてる。

「自分の特性を知って
最も価値を提供できる市場を探す」ってこと。

「給料と休みが安定してればいい」ではなく。

 

 

 

 

ここら辺はまた書きますけど。

「商品の特性の知り方」と
「最も価値を提供できる場所の探し方」。

 

 

 

 

需要があれば。

ある?

読みたい?

 

ねぇねぇ読みたい?

 

 

 

 

 

 

 

ロックンロールが鳴ってるよ。

 

 

 

 

今日のオススメ本

マーケティングの考え方を知るには
この1冊。